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認知症高齢者の過食行動にどう対処する?食べ物への執着を和らげる方法

認知症のある高齢者が、食べ物に強くこだわってしまうことがあります。

食事をしたばかりなのに「まだ食べていない」と言ったり、満腹でも食べ続けてしまったりすると…

介護をする家族にとっては心配になってしまいますよね。

こうした過食の行動には、記憶や感覚の変化や心理的な影響など、さまざまな原因が考えられます。

この記事では、食べ物への執着を和らげる方法や、食事以外の楽しみを増やす工夫についてご紹介します!

実例たっぷりで紹介するよ!

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高齢者が食べ物に執着する原因とは?

認知症の高齢者が食べ物を欲しがるのには、記憶の問題や体の変化、心理的な要因などが影響しています。

認知症による記憶障害

認知症の症状のひとつに、短期記憶の低下があります。

食事をしたことを忘れてしまい「まだ食べていない」と感じてしまうんですよね。

食事の回数や時間を覚えていられず「次はいつ食べられるの?」と不安になることもあります。

こうした理由で、食べ物への執着につながることがあります。

わからないからこそ、執着しちゃうんだよね

満腹感を感じにくくなる

加齢や認知症によって、満腹感を感じる力が弱くなることがあります。

また、食べるスピードが速いと、脳が「満腹」と認識する前に食べ終えてしまうことに。

結果的に「もっと食べたい」と思ってしまう原因となっています。

脳が「満腹だよー」とサインを送ってくれにくくなるんだね

過去の食習慣や生活環境の影響

長年の食習慣や生活の中で身についたクセも、食べ過ぎに影響する理由の一つです。

たとえば若い頃からたくさん食べる習慣があった人は、高齢になっても同じように食べたがることも。

また、戦後の食糧難を経験した世代の方は「食べられるうちに食べておかないと」と思う傾向があり、食べ物を残すことに強い抵抗を感じることもあります。

時代の影響による価値観の違いは大きいかも

ストレスや不安の表れ

認知症の高齢者は、環境の変化や人間関係でストレスを強く感じることがあります。

自分の状況がよくわからない不安や孤独を感じると、食べることで気持ちを落ち着かせようとすることが。

特に新しい場所に移ったときや、身近な人との関係が変わったときに、食事の回数や量が増えることがあります。

別のストレスが隠れている可能性があるかもなんだね

感覚の変化による味覚の偏り

加齢や認知症によって、味覚や嗅覚が変わることがあります。

特に甘いものや塩辛いものを好む傾向が強くなり、「食べたい」と思う気持ちが止められなくなることも。

味がわかりにくくなることで、いつもの食事に満足できず、より強い味を求めて食べ過ぎてしまうこともあります。

これ悪循環になりやすいやつ…

認知症高齢者の過食行動を防ぐための基本対策

食べ過ぎを防ぐには、日々の食事のリズムや環境を整えることが大切です。

自然に「食べ過ぎない工夫」を取り入れることがポイントだよ

食事の時間と回数を規則正しくする

食事の時間を決めておくと「いつ食べられるのか」がはっきりし、安心感が生まれます。

また、1回の食事量を少し減らして食事の回数を増やすことも、空腹感を和らげるためにできる工夫の一つ。

間食を取り入れる場合は、決まった時間に軽めのおやつを用意するとよいでしょう。

栄養バランスの取れた食事を提供する

バランスのよい食事を心がけることで、栄養不足による食欲の乱れを防ぐことができます。

特にタンパク質や食物繊維をしっかり摂ると、満腹感が長続きしやすくなるのでおすすめ!

また、血糖値が急に上がるとすぐに空腹を感じやすくなります。

炭水化物ばかりの食事ではなく、野菜やたんぱく質をしっかり取り入れることが大切です。

食事の際の環境を整える

落ち着いた環境で食事をとることで、「きちんと食事をした」という実感を得やすくなります。

テレビをつけっぱなしにしたり慌ただしい雰囲気の中で食べると食事に集中できず、満足感を感じにくくなるのがデメリット。

ゆっくりよく噛んで食べることで脳が「満腹」と感じやすくなり、食べ過ぎを防げます。

適量を意識した盛り付けをする

一度にたくさんの食べ物を目の前に置くと、「全部食べなきゃ」と思ってしまう原因に。

小皿に分けて出したり、少しずつおかわりするようにすると、食事の量を調整しやすくなります。

食べるスピードが速い場合は、小さめのスプーンやお箸を使うと自然にゆっくり食べることができます。

家族や介護者が一緒に食事をとる

ひとりで食事をすると、つい早食いになったり食べ過ぎてしまうことがあります。

家族や介護者が一緒に食事をとることで、会話を楽しみながらゆっくり食べることができます。

食事が「楽しい時間」になると、必要以上に食べ物を求める気持ちが和らぐこともありますよ。

食べ物への執着を和らげる具体的な方法

食べ過ぎを防ぐためには、食事の内容や食べ方を工夫することが大切です。

無理に制限するのではなく、本人が満足しながらも食べ過ぎないような方法を取り入れてみましょう。

手軽につまめる低カロリーの食品を用意する

どうしても「何か食べたい」という気持ちが抑えられない場合は、低カロリーの食品を用意しておくと安心です。たとえば、

  • 野菜スティック(にんじん、きゅうり、大根など)  
  • 寒天ゼリーやこんにゃくゼリー  
  • 素焼きナッツ(塩分・油分の少ないもの)  

高カロリーな食べ物を欲しがったときに代わりとしておすすめです。

喉の詰まりやすさに気をつけて、食べる時はそばにいてあげてね

食事のペースをゆっくりにする工夫をする

食べるスピードが速いと満腹感を感じる前に食べ終わってしまい、「もっと食べたい」と思ってしまうことがあります。

  • 一口ごとによく噛むように声かけをする  
  • スプーンやフォークを小さめのものに変える  
  • 一口食べたらお箸を置く習慣をつける  
  • 家族と会話をしながら食べる

食事の途中で小休憩を挟むことで、満腹感を感じやすくなります。

「少しお茶を飲んでから続きにしようか」と声をかけるのもいいですね。

噛みごたえのある食材を活用する

食べ物をよく噛むことで満腹中枢が刺激され、満足感が得られやすくなります。

  • れんこんやごぼうなどの歯ごたえのある野菜  
  • 厚めに切った野菜のスープや煮物  
  • かみごたえのある玄米や雑穀米  
  • 焼き魚や厚揚げなどの弾力のある食材

食事の際に「しっかり噛んでね」と声をかけるのも、食べるスピードを調整するのに役立ちます!

食後の口寂しさを解消する工夫をする

「食べ終わったのにまだ何か口にしたい」と感じることがある場合は、食後の時間の過ごし方を工夫するとよいでしょう。

  • 食後に温かいお茶やノンカフェインの飲み物を飲む  
  • 食後に軽い運動やストレッチをする  
  • 歯磨きをして「食事は終わり」と意識させる

特に歯磨きは「もう食事の時間は終わった」と認識しやすくなります。

食後にお口をスッキリさせる習慣をつけると効果的です!

食事の満足感を高める演出をする

食事の見た目や雰囲気を工夫することで、食べることへの満足感を高めることができます。

  • 彩りのよい食材を取り入れる  
  • 好きな食器を使って食事を楽しむ  
  • ゆっくりとした音楽を流しながら食事をする  
  • 温かい料理はしっかり温めて提供する</p>

こうした工夫を取り入れることで「しっかり食べた」という実感を持ちやすくなり、食べ過ぎを防ぐことにつながります。

食事以外の楽しみを増やして食べ物への執着を軽減する方法

食べること以外にも楽しみを見つけることで、食べ物への執着を和らげることができます。

趣味や活動を増やし、充実した時間を過ごせるようにしましょう。

趣味やレクリエーションを取り入れる

好きなことに集中すると、食べ物のことを考える時間が減ります。

  • 塗り絵や手芸などの手を使う趣味  
  • 好きな音楽を聴いたり、一緒に歌を歌う  
  • 昔好きだった趣味を再開する(編み物、折り紙など)

散歩や軽い運動を習慣化する

適度な運動をすると気分がリフレッシュし、食べ物への意識が薄れます。

朝や夕方に軽い散歩をするだけでも、食事への意識が変わることがあります。

家事や役割を持たせる

簡単な家事をお願いすることで、気がまぎれます。

「テーブルを拭くのを手伝ってもらえますか?」など、小さな役割を持つことで充実感を感じてもらいやすくなります。

会話や交流の機会を増やす

人と話す時間が増えると、食事以外の楽しみを見つけやすくなります。

家族や介護者が積極的に声をかけることで、食べ物に意識が向きにくくなります。

食べ物に執着する高齢者への適切な声かけと接し方

食べ物を欲しがる高齢者には、適切な声かけや対応が大切です。

無理に制限するのではなく、安心感を持ってもらうことを意識するのがコツ。

否定せず共感する姿勢を持つ

「まだお腹がすいているんだね」と気持ちを受け止めることで、本人が安心しやすくなります。

「もうダメ」と強く否定すると、かえって執着が強くなることがあるので注意しましょう。

気をそらす工夫をする

食べ物のことばかり考えないように、他の話題に切り替えるのも効果的です。

「このお花、きれいだね」「一緒に散歩しようか」と誘ってみるのもおすすめ。

優しく具体的に説明する

例えば「今はごはんの時間じゃないけれど、おやつの時間には一緒に食べようね」といった声かけ。

次に食べられる時間を具体的に伝えると安心しやすくなりますよ。

【まとめ】高齢者の食べ物への執着に適切に対処しよう

認知症高齢者が食べ物に執着するのにはさまざまな理由があります。

ですがが、工夫次第で和らげることも可能。

無理に制限するのではなく、自然に食べ過ぎを防ぐ方法を取り入れることが大切です。

食事の工夫だけでなく生活全体を楽しめる環境を整えることで、本人も介護者も穏やかに過ごせるようになるでしょう。

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この記事を書いた人

地域密着型デイサービスを運営している株式会社OTOKAの「かいごスマイルフォーラム編集部」です。介護に関する複雑な情報や体験談(一次情報)をわかりやすい形でお届けします。

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