高齢者のための福祉施設である軽費老人ホーム。
軽費老人ホームにはいくつかの種類があり、それぞれに特徴と目的があります。
- 軽費老人ホームとは?をわかりやすく
- 軽費老人ホームの種類と特徴
- 軽費老人ホームの現在の流れ
本記事では軽費老人ホームの種類と特徴、そして選び方のポイントをわかりやすく解説します。
これから軽費老人ホームの利用を検討している方やそのご家族にとって、参考になる情報をお届けします!
軽費老人ホームとは?種類と違いをわかりやすく解説
軽費老人ホームとは
経済的に困っていて自立した生活に不安がある高齢者さんの生活をサポートしてくれる施設
対象となる人
- 自立した生活が可能だが、経済的に余裕がない高齢者
- 身体的または精神的な理由で一部支援が必要な高齢者
特徴
- 料金が低価格設定
軽費老人ホームには主にA型・B型・C型・都市型の4つのタイプがあり、提供されるサービスや対象者に違いがあります。
ただしA型・B型は新設されていないから、今はC型(ケアハウス)が主流だよ!
A型・B型・C型の違い
項目 | A型 | B型 | C型ケアハウス 一般型 | C型ケアハウス 介護型 |
---|---|---|---|---|
対象者 | ・自炊に不安 ・低所得で生活に不安 ・高齢で生活に不安 | ・自炊できる ・低所得で生活に不安 ・高齢で生活に不安 | ・家族の支援が困難 ・低所得で生活に不安 | ・要支援/要介護 ・低所得で生活に不安 |
食事サービス | あり | ないこともある | あり | あり |
介護サービス | 外部サービスを利用 | 外部サービスを利用 | 外部サービスを利用 | あり |
所得制限 | あり | あり | なし | なし |
費用の目安 | 6.5〜15万円 | 4万円 | 9〜15万円 | 介護度による |
共通しているのは低所得で生活に不安がある高齢者が対象なこと。
ただし、ケアハウスは所得制限はありません。
A型は比較的介護が必要な高齢者向けで、生活支援や食事サービスが充実しています。
B型はより自立した高齢者向け。A型に比べてサービスは少なめですが、自由度が高い生活が可能です。
C型は所得制限がなく、他の条件をクリアできた高齢者さんなら誰でも利用できます。
ちなみに所得制限は、月収35万円までくらいが目安だよ
都市型軽費老人ホームとは?
「物価が高い都市部でも低価格で利用できる」を目的に生まれた施設
都市型軽費老人ホームは、都市部に設置されることを目的とした施設。
都市部での生活に適した設計やサービスが特徴です。
A型軽費老人ホームの特徴
A型軽費老人ホームはB型と比べて支援愛用が充実。何らかの支援や介護を必要とする高齢者さんの利用が多いです。
数は全国で206施設あります。
要介護度別・入居者の割合
自立 / 何らかの支援や介護が必要な高齢者さんが半々
要支援、要介護1・2の高齢者さんも約5割
- 非該当:48.2%
- 要支援20.9%
- 要介護1:19.6%
- 要介護2:7.8%
A型軽費老人ホームは、家庭での生活が難しいと判断された方が優先的に利用できます。
一定の収入制限が設けられていることも多く、低所得者が利用しやすいようになっています。
提供されるサービス
介護サービスは外部サービスを利用するが生活支援サービスは充実
日常生活のサポート
- 食事
- 生活相談
生活の質向上
- レクリエーション
医療機関との連携
- 健康管理
- 緊急時の対応
費用負担の目安
月額6.5万円〜15万円までがめやす
- サービス利用料
- 生活費(食材・共有部分の光熱費)
- 一部施設は光熱費
A型軽費老人ホームの利用料金は、入居者の収入に応じて設定されます。
B型軽費老人ホームの特徴
B型軽費老人ホームは、A型よりも介護度の低い高齢者を対象としています。
数は少なく、全国でわずか18施設です。
要介護度・別入居者の割合
比較的自立した生活が可能な高齢者さんが多い
非該当・要支援の高齢者さんで約7.5割
- 非該当:63.6%
- 要支援:12.5%
- 要介護1:11.9%
- 要介護2:8.5%
収入制限も設けられており、一定の条件を満たす必要があります。
提供されるサービス
A型と比べるとサービス内容は限定的
日常生活のサポート
- 食事(ない場合もある)
- 生活相談
生活の質向上
- 入居者の自主性を尊重
- 施設内で自由な生活が可能
医療機関との連携
- 緊急時の対応がメイン
費用負担の目安
月額4万円がめやす
- サービス利用料
- 生活費(食材・共有部分の光熱費)
- 管理費・家賃
- 一部施設は光熱費
B型軽費老人ホームの費用は、A型よりも低く設定されています。
入居者の収入に応じた料金体系が採用されており、月額で数万円程度の負担が一般的です。
C型軽費老人ホーム【ケアハウス】の特徴
軽費老人ホームはA型・B型の減少とともに、C型軽費老人ホーム(ケアハウス)が今の主流になっています。
一般型は全国で約2,000施設、介護型は約400施設あります。
要介護度別・入居者の割合
一般型
何らかの支援や介護を必要とする高齢者さんが半数以上
要支援・要介護1・2の高齢者さんで約6割
- 非該当:34.5%
- 要支援:29.3%
- 要介護1:22.1%
- 要介護2:10.5%
一般型のC型軽費老人ホームは自立した生活が可能な高齢者さんの割合が高いものの、要支援や要介護1・2の高齢者さんの合計で約6割の利用状況です。
介護型
介護を必要とする高齢者さんの利用が多い
要介護2の高齢者さんの割合が施設中1番高い
- 非該当:15.5%
- 要支援20.4%
- 要介護1:25.3%
- 要介護2:16.8%
介護サービスが受けられるC型・介護型の軽費老人ホームは、何らかの支援や介護を必要とする高齢者さんの利用がメイン。中でも、要介護2の高齢者さんの割合は1番高いという結果でした。
提供されるサービス
一般型はB型軽費老人ホームと同じ感じのサービス。加えて介護型は介護サービスが施設内で受けられる。
日常生活のサポート
- 食事(ない場合もある)
- 生活相談
生活の質向上
- 入居者の自主性を尊重
- 施設内で自由な生活が可能
医療機関との連携
- 緊急時の対応がメイン
介護型は介護サービスあり
- 要介護度によりサービス内容は変わる
費用負担の目安
一般型
月額9万円〜15万円がめやす
- サービス利用料
- 生活費(食材・共有部分の光熱費)
- 管理費・家賃
- 一部施設は光熱費
介護型
施設や介護度により異なる
- サービス利用料
- 生活費(食材・共有部分の光熱費)
- 管理費・家賃
- 一部施設は光熱費
- 介護保険サービス自己負担分
詳しいサービス内容は施設によっても変わるから気をつけてね!
都市型軽費老人ホームの特徴
都市型軽費老人ホームは、サービス内容はC型(ケアハウス)を想定した施設。
低価格の利用料を維持するために、都市部の住宅事情に合わせた施設基準で新設された軽費老人ホームです。
対象者の条件
C型軽費老人ホーム(ケアハウス)に準ずる
- C型軽費老人ホーム(ケアハウス)の対象者と同じ
- 都市部での生活を希望する高齢者
提供されるサービス
C型軽費老人ホーム(ケアハウス)に準ずる
日常生活のサポート
- 食事(ない場合もある)
- 生活相談
生活の質向上
- 入居者の自主性を尊重
- 施設内で自由な生活が可能
医療機関との連携
- 緊急時の対応がメイン
費用負担の目安
月額9万円〜15万円がめやす
- サービス利用料
- 生活費(食材・共有部分の光熱費)
- 管理費・家賃
- 一部施設は光熱費
都市型は、物価の高い都市部の事情に合わせて誕生したんだね
軽費老人ホームの選び方:A型・B型の施設は減少傾向、ケアハウス一択の流れに
A型・B型の現状
- 1990年以降新設なし
- 今後はC型(ケアハウス)へ建て替えられる予定
介護サービスを必要とする高齢者の増加という実情に合わせて、1990年以降A型・B型の軽費老人ホームの新設はストップしています。施設数は合わせて全国で224施設。
A型・B型を希望する方にとって、入居は「狭き門」となっています。
B型とC型(ケアハウス)は対象者もサービス内容も似ているため、軽費老人ホームを希望する場合は
- 比較的自立した高齢者さんは一般型ケアハウス
- 介護が必要な高齢者さん(要介護2までが目安)は介護型ケアハウス
が主な選択肢となります。
ほかの福祉施設も含めてじっくり検討したいね!
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